【小学生の算数】文章問題が苦手な原因は?「解けない」を「できた!」に変える超具体的な5つのアドバイス
「計算ドリルはスラスラ解けるのに、テストの文章問題になると途端に空白が増えてしまう…」
「宿題の文章題を見て、『わからない!』とすぐに投げ出してしまう…」
小学生のお子さまを持つお母さまから、このようなお悩みをよく耳にします。「うちの子、もしかして国語力がないの?」「このままで高学年の算数についていけるかしら?」と不安になってしまいますよね。
まずお伝えしたいのは、算数の文章問題に苦手意識を持つお子さまは非常に多いということです。
実際、文部科学省が行っている「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」の結果を見ても、単純な計算問題に比べて、文章や図表から情報を読み取り、式を立てて考える「活用」に関する問題の正答率は低くなる傾向にあります。
文章問題は、単に計算ができるだけでなく、複数の能力を同時に使う高度な作業です。決して「やる気がない」わけでも「頭が悪い」わけでもありません。どこでつまずいているのかを見極め、適切なサポートをすれば、必ず解けるようになります。
この記事では、なぜ文章問題が苦手になってしまうのかの原因と、今日からご家庭ですぐに実践できる「超具体的な5つのアドバイス」をご紹介します。
なぜ、うちの子は文章問題が苦手なの?
「文章問題ができない=国語力(読解力)がない」と単純に考えてしまいがちですが、原因はそれだけではありません。多くの子どもたちがつまずくポイントは、主に以下の3つに分けられます。
- 問題の状況がイメージできていない
問題文を読んでも、頭の中で具体的な情景(誰が、何をして、どうなったか)が思い浮かんでいない状態です。文字の羅列としてしか認識できていないため、式の立てようがありません。 - 「何を聞かれているか」がわからない
問題文の最後で「何個残っていますか?」と聞かれているのか、「全部で何個ですか?」と聞かれているのか、ゴールを見失っている状態です。 - 情報が多すぎて処理しきれない
文章が長かったり、数字がいくつも出てきたりすると、どの情報が重要で、どれを使えばいいのか混乱してしまいます。
また、近年注目されている視点として、発達の特性が関わっている場合もあります。例えば、見聞きした情報を一時的に記憶しておく「ワーキングメモリ」の働きが弱いタイプのお子さまは、文章を読んでいる途中で最初の内容を忘れてしまったり、複数の条件を同時に処理することが難しかったりします。
これは「障害」というよりも「脳の情報の処理の仕方のクセ」です。こうしたタイプのお子さまには、これから紹介するような「情報を整理して視覚化する」アプローチが特に有効になります。
今日から実践!「解けない」を「できた!」に変える超具体的なアドバイス5選
「もっとよく読みなさい」「図を描いてごらん」といった抽象的なアドバイスでは、苦手な子は動き出せません。ここでは、お子さまが具体的に「何をすればいいか」がわかるアクションプランをご紹介します。
アドバイス1:まずは「指差し音読」!つっかえずに読めているか確認する
文章問題が苦手な子の多くは、実は問題を正しく読めていません。黙読だと、都合の良いように飛ばし読みをしたり、勝手に言葉を変えてしまったりすることがあります。
【具体的なアクション】
問題を解く前に、必ず声に出して読ませてください。その際、指で文字をなぞりながら読ませる「指差し音読」が効果的です。
お母さまは横で聞いていて、「てにをは」を間違えていないか、数字を正しく読めているか、つっかえずにスラスラ読めているかをチェックしてください。正しく読めるようになるだけで、理解度は格段に上がります。
アドバイス2:長い文章は「スラッシュ(/)」で区切って短文にする
文章が2行、3行と続くと、それだけで「うわっ、難しい」と拒否反応を示す子がいます。長い文章は、意味の塊ごとに区切って、短い情報の集まりにしてしまいましょう。
【具体的なアクション】
「『、』や『。』、または意味が変わるところで線を引いてごらん」と声をかけ、文章に「/(スラッシュ)」を入れさせます。
(例)
「あめが 10こ ありました。/ おとうさんが 5こ くれました。/ そのあと、いもうとに 3こ あげました。/ いま、あめは なんこ ありますか。」
このように区切ることで、一度に処理する情報量が減り、「まずは10個あったんだな」「次に5個もらったんだな」と順を追って理解しやすくなります。これは、ワーキングメモリの負担を減らすのにも非常に有効です。
アドバイス3:「数字」と「聞かれていること」に別の印をつける
文章中には、計算に使う大切な情報と、実は使わない情報が混ざっています。何が重要かを視覚的に目立たせましょう。
【具体的なアクション】
色ペンや蛍光ペンを用意し、ルールを決めて印をつけさせます。
- 出てくる「数字」には「〇(まる)」をつける。
- 最後の「聞かれていること(ゴール)」には「~~(波線)」を引く。
(例)
「みかんが ①②こ あります。~中略~ いま、みかんは ~~~~なんこ ありますか~~~~。」
「まずは〇がついている数字を使おう」「最終的に波線の答えを出そう」と意識付けができます。特に低学年のお子さまには、ゲーム感覚で「数字探し」から始めるのもおすすめです。
アドバイス4:簡単な「小さな数字」に置き換えて考える
「3桁の足し算」や「小数・分数」の文章題になると、急にわからなくなる子がいます。これは、数字の複雑さに気を取られて、問題の構造(足すのか引くのか)が見えなくなっているためです。
【具体的なアクション】
「数字が大きくて難しいね。じゃあ、簡単な数字に変えてみようか」と提案します。
(例)
「1.5Lのジュースを0.3Lずつコップに分けると、何人に分けられますか?」
↓
「10Lのジュースを2Lずつコップに分けると、何人に分けられますか?」
これなら「10÷2だ!」とすぐにわかります。「それと同じだよ。じゃあ元の数字で式を立ててみよう」と誘導することで、正しい式(1.5÷0.3)にたどり着けます。
アドバイス5:やっぱり最強!上手じゃなくていいから「図や絵」を描く
「図を描きなさい」と言われても、きれいに線分図や関係図を描こうとして、それがストレスになる子がいます。目的は情報を整理することなので、絵のうまさは関係ありません。
【具体的なアクション】
「リンゴの絵でいいから描いてみて」「ただの『〇』でもいいよ」と、ハードルを極限まで下げてください。
最初は、文章に合わせてリアルタイムで描いていく練習をします。
「『みかんが5個ありました』って書いてあるね。じゃあ〇を5個描いてみよう」
「『3個食べました』だって。どうする?そう、3個バツをつけて消そうか」
このように手を動かすことで、抽象的な文章が具体的なイメージに変わり、「増えたから足し算」「減ったから引き算」という感覚が身についていきます。
まとめ
算数の文章問題は、一朝一夕で得意になるものではありません。しかし、原因を取り除き、お子さまの特性に合った具体的な方法でアプローチすれば、必ず改善します。
大切なのは、焦らずスモールステップで進めることです。「今日はスラッシュを入れるところまでできたね」「数字に丸をつけられたね」と、答えが合っているかどうかの前に、取り組む過程をたくさん褒めてあげてください。
ご家庭でのサポートだけでは難しいと感じる場合は、お子さまの学習特性に合わせてスモールステップで学べる教材や、専門的な指導を検討するのも一つの方法です。小さな「できた!」の積み重ねが、お子さまの大きな自信へとつながっていきます。

